日記

2022年最初の読書

お正月休みにじっくり読もうと思っていた本『最後の角川春樹』

生い立ちから現在(80歳)までの波乱万丈をあからさまに語りつくす、角川春樹の人生回顧録的内容でかなりの文書量だったが、一言一句を読み飛ばしぜず丸一日かけていっきに読んだ。

目次
序章 敗れざる者
第1章 少年時代(~二十二歳)
第2章 編集者時代(二十二~三十三歳)
第3章 映画プロデューサー時代(三十四歳~)
第4章 俳人と映画監督の間(四十歳~)
第5章 収監そして復帰へ(五十一~六十二歳)
第6章 最後の監督作品
終章 それでも敗れざる者

今から15年前(2007年)。 角川春樹氏の講演会に行って衝撃を受けた

麻薬取締法違反で4年弱の刑務所暮らしを経て、出所早々に制作した映画『男たちの大和』の大ヒットで復活劇を果たした頃の講演会だった。

数えきれないほど様々な講演会を見てきたが、強烈なオーラを感じた人が二人いる

ひとりは、ロバート・キヨサキ氏だ(「金持ち父さん 貧乏父さん」の著者)。

17年前だが 数千人規模の講演と少数限定講演の2日連続で参加した。持参本(若くして豊かに引退する方法)にサインをもらって握手する時、オーラで自然と腰が引けたのを覚えている。

そして、もうひとりが角川春樹氏だ。

眼光の鋭さ、誰をも恐れていない気迫と勇ましさ。
いわゆる芸能人のような白く輝くものでなく、この二人には黒い大波のようなオーラを感じた。

「キングダム」でいうと、王騎を目の前で見るようなものだ。
おしっこの1リットルや2リットルちびっても おかしくはないだろう。

話を戻そう。角川氏が講演会で伝えたかった一言について

角川春樹 講演会での話。

投獄中のあるお正月に瞑想をしていたとき、自分の体が空高く舞い上がり、宇宙へ飛び出し銀河系も向けて、宇宙の外側にたどり着いた。

そこは雲ひとつない真っ青な空が広がっていた。

心の中では「理論的に青空であるはずがない」と感じつつも、そこは青空。
その場所で、すべて解ったと実感した。

人間はどこから来て、何をするために生まれてきたのか。
そして、どこへ帰っていくのか。

大昔から問われ続けている疑問に対する答え。

「人間は、宇宙から 遊ぶために地球へやってきた」それだけだ。

そして、こう付け加えた。
「皆さんも、ビジネスもホントは楽しいんでしょ、楽しいから社長やってるんでしょ。社長は孤独だ辛いんだというなら、辞めればいい」

経営者700人以上参加していた講演会場が、深い納得の空気で満たされていた。

角川氏は、この答えにたどり着いて以来、後半生の生き方が大きく変わったという。

私もこの日から徐々に、人生のレールを違う方に切り替えていった

この講演を機にというわけではないが深い感銘を受け、またその年に、まだ20代半ばだった若くて頑張り屋さんの女性社員が1年間の闘病を経て亡くなったショックも重なり、自ら 人生の転機を創る考えになった。

その翌年に会社を売却し、何も決めずに ひとまず自由になる選択をした

「人間は、宇宙から 遊ぶために地球へやってきた」

「ハハハ なるほど、そういう一面もかもしれませんね」となるだろう。
なんてことない、どこかで聞いたことある一文に見えるかもしれない。

しかし、事実、我々は宇宙からやって来たのだ。

30年前に見たNHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体」が今でも焼き付いている。

VHS全巻を買い、さらにその後 DVD全巻を買って持っているので、逆に記憶に新しいが。

地表のほとんどが海だったころ、隕石は降り注ぎ続け、ずっと稲妻が鳴り響いていた。

オープニングで朗読されていた谷川俊太郎の詩が、人類の物語を美しく表している。

「からだ」

闇に浮かぶ未知の惑星
とおく けだものにつらなるもの
さらにとおく 海と稲妻に
星くずにつらなるもの

言葉自体に善し悪しも 何もない。いつ、必要な言葉と出会うかだけだ

いつでも、「人生を変える言葉」は身の回りにあるし、本屋さんにもYoutuberがふと話したひと言にあるかもしれない。

「人生を変える言葉」に限らず、成功や人生好転、運命の出会いもたくさんある。

あるけど見てなかった。 あるけど今は探してなかった。それだけだ。

必要なときに必要な言葉と出会えるかどうか。違いは たった一つ。

「問い」だ。

この文がとても大切な一行だと信じている。

 問う前に「問い」を問え
- 哲学者 ヴィトゲンシュタイン -

例のごとく、話がどんどん違う方向へ流れて行きそうだ。

ほな。このへんで。

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