この映画を観るのは3回目だ

あらためてNetflixで『ヒルビリー・エレジー』を観た。

ラストベルト地域(アメリカ中西部の衰退した工業地帯)にしがみつく、いわゆる “負け犬白人” とよばれる「アメリカの繁栄から取り残された白人たち」の話だ。

未来に希望を持ち、負け犬社会から抜け出すべくイエール大学に進学を果たした心優しい息子の人生を、悪気はないのだがことごとく邪魔してしまう母親を中心とした、ヒルビリー(田舎者)の町で暮らす家族の実話だ。

「なんでそうなるねん!」の連続でやるせない気持ちになるが、何度も観てしまう

そいういう意味で「なんでそこで頑張らんねん!なんでそこで落ちていくねん!」映画の代表格と言えば、ニコラス・ケイジの名作『リービング・ラスベガス』が男版、『ヒルビリー・エレジー』が女版の名作ではないだろうか。

素晴らしい映画は原作を読む

これまでも、『マディソン郡の橋』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』など、素晴らしいと感じた映画は、あらためて原作本を読むようにしている。

特に、『ブロークバックマウンテン』は、5回以上観ていると思うが、あまりにも素晴らしい映画なので、原作本も読むだけではあきたらず、無理して英語の脚本も短編小説も読んだ。

さらに、音楽も素晴らしくサントラCDも持っている。

『ヒルビリー・エレジー』の原作本は、意外にも、小説ではなく、息子本人(J・D・ヴァンス)の人生回顧録だった。映画はその実話回顧録のエピソードを結構忠実に映像化している。

ラストベルトといえば、D・トランプの大統領選で話題になった地域

2016年の大統領選では、ヒラリーが断然優位と言われてたが、まさかの大逆転を生み出したのは、まさくしく、大富豪が負け犬白人を味方につけたことにある、と言われている。

“負け犬白人” という言葉はこの本で初めて聞いたが、実はリアルなアメリカをそこにある。

好き嫌いは分かれるが、時間があれば、ぜひ観ていただきたい。