日本美の宝庫 島根県
アメリカの庭園専門誌で、20年連続 日本部門1位を獲得している「足立美術館 日本庭園」。
秋の良い時期(それと松葉ガニ漁の解禁最初の週だし)を狙って、今週末 島根県観光をしてきた。
最大の目的は “日本一の庭園” を観ることだったが、館内の美術品も、また島根県自体も各所見どころが多すぎて、着いた早々に妻が「来年も来たいね」と言うほどだった。
由志園の庭園も見逃せない。喫茶室をスマホでサクッと撮っただけでこの絵画のような絵になる美しさ。
足立美術館内のもう一つの魅力「北大路魯山人館」
魯山人と言えば美食家というイメージが強いが、大量の作品を観て魯山人の魅力が少しわかった気がする。
何といっても、作品の大多数が料亭で使うために(皿が5枚ずつ制作されていたり)創作された器類なので、とても身近に感じるし、また多少の善し悪し(というか好き嫌いか)は素人でも理解できるのが気に入った。
自分用の土産として魯山人の作品を一つ買・・・えないので、ギャラリーショップで魯山人風の器を買った。
日本の美意識 と 海外の美意識の違い
以前から思っている事だが、日本と海外(ざっくり大くくりで)の美意識は非常に相対的だなと。
庭園様式の違い
ベルサイユ宮殿の様式は「左右対称、整然、幾何学模様、花壇、噴水」など。 言わば「観る庭園」
対して日本庭園の様式は「左右非対称、岩、砂、こけ、池、滝」など。 言わば「感じる庭園」か。
皇室(王室)訪問の違い
サウジのムハンマド皇太子が皇室訪問した写真が海外で話題になった。美意識の違いがよく表れている。
なぜ日本と海外の美意識に違いがあるのか?それはコンテクストの違い
日本はハイコンテクスト文化だと言われる。
コンテクストとは「背景、状況、場面、文脈」などを意味し、簡単に言えば「言葉で説明しなくても分かり合える文化認識」。つまり、ハイコンテクスト文化の日本人は、良くも悪くも、説明しなくても分かりあえるようになっている。
よく、日本人はハッキリものを言わない、欧米人はハッキリものを言う。とあるが、日本人は言葉にしなくても理解し合えるからであり、欧米人は言葉にしないと理解し合えない文化だからだ。
「コンテクスト文化の違い」という目で見れば、”美意識の違い” の本質が理解できる
日本庭園と欧米庭園の違い、皇室のしつらえの違い、日本画と西洋絵画の違い・・・等々、すべては欧米式の「説明するために足し算する美」なのか「説明不要で極限まで引き算する美」なのか、そんな違いではないかと思う。
松尾芭蕉の俳句でみるコンテクスト文化の違い
「古池や 蛙飛びこむ 水の音」は、こうやって英訳されている。
An old quiet pond, A frog jumps into the pond, Splash! Silence again.
説明しちゃってるなぁ。
平和で、親切で、清潔で、自然があり、経済があり、美しい国。
あぁ日本。ありがとう!