今年のバースデイ休暇は、都心でも雪が降るような状況だから家でノンビリしよう・・・と思っていたが、母のこととか色々あったので、気持ちをリフレッシュさせるためにも、急遽、ひとり旅で温泉旅館に泊まることにした。

さて、旅のテーマを「食」にするなら、列車に乗って雪の降る丹後半島の宿で越前ガニ・・・というのは面倒か。

では、テーマを「考」にするなら、ちょっと遠方にドライブも兼ねて露天風呂自慢の宿がよい。うん、これだな。

ということで、紀伊半島を南に向けて3時間のドライブ。和歌山県 南紀白浜の温泉宿で一泊することにした。

3時半に到着してさっそく温泉につかり、持ってきた本を2冊読み切って再び露天風呂へ。夜は梅酒を飲みながらの懐石料理に舌鼓。

翌朝、薄明るくなってきた頃、石畳を数段降りて貸し切り露天風呂に入ったが、雪混じりの極寒と強風で、まったくもってリラックスできず、早々に切り上げてサウナに飛込み、体の芯を温め直した。

ところで、この宿には男女混浴の露天風呂があるらしく(裸でなく浴衣を来ての入浴ですが)、楽しみ…もとい!みやげ話として入ってみるのも良いのではなかろうか(言い訳がましいでぇ)と思っていたが、結局、混浴風呂には行かなかった。

なんせ、極寒の中、石畳を80段ほど降り(ということは帰りは登り)なければならない。それだけでも辛いのに、そうまでして行く奴は、きっと俺と同じオッサンしかいないのでは?

混浴風呂におとぼけなオッサンが数人。その地獄絵図を思い浮かべた時、行く理由はひとつもなかった。ダンディでいなければ…。

まぁ、そんなディテールはどうでもいいのだが、ひとり旅は、自分との対話が長すぎて意外と頭が疲れるなと。

テレビでもつけて観ていればそうでもないかもしれないが、こんな旅先に来てテレビなんか観てどうする、という思いもある。

だから本を読んだり自分との対話をするのだが、どこかで自分のことを「マジメか!」とツッコんでいる自分もいたりして。

これは、自分の性格の良い面でも悪い面でもあると思うが、ひとり旅も含めて「旅行」となると、綿密にスケジュールというかプランを立ててしまう癖がある。ハプニングより予定調和LOVEみたいな。

本当は、パンツ一丁持ってフラッと旅に出て、その日の寝床を探すような、毛むくじゃらのワイルドな男でいたいのだが。

だから今回は、宿だけ予約してあとは何も調べずに旅立った。道中の土産物屋がどこにあるかも調べず、観光スポットが何かも調べず。絶対に計画を立てない! というプランに沿って。

やはり性格は変わらない。

まぁ、そんな53歳のバースデイ休暇であった。感謝感謝。