いつものマリーナ友達と京都に泊まりで一晩遊んだ。

南座での”都をどり” を観てから、いざお茶屋さんへ。

芸妓さん舞妓さんらと、「そうどすぅ~」「よろしおすぅ~」「お~きにぃ~」な、はんなり、ゆったりした時を過ごす。

通常は、しばらくすると地方さん(三味と唄の姐さん)があらわれ、ふすまをひろげて芸妓舞妓らが舞を見せてくれる、と言う流れだが、今日は地方さんが遅くなりそうということ。

ではと、店が三味線を持ってきて、お茶屋のご贔屓であるお友達に手渡したら、金毘羅ふねふねを弾き始めた。芸達者な人だわぁ。

そのリズムに合わせて、舞妓さんと、ビール瓶の袴(ソーサー的な底カップ)を使ったお座敷遊びを教えてもらう。簡単だけど面白い。場がいっきに華やかになる。

なんと粋な流れ。

その後、舞妓さんを連れてバー? 波木井さんへ。

バーまでの道中、大勢の観光客が見つめるなか、高さ10cmのこっぽりを履く華やかな舞妓さんを連れて、つらつらと祇園の街を歩くのが、なんともカッコが良いというか、完全に旦那気分というか。


バーでは、マスターが三味線を出してきて、粋などどいつ、お色気どどいつを語る。

で、少し間があいたときマスターがお客に唄をすすめた。

唄と言ってもカラオケの歌ではない、”小唄” とか “うた沢”という三味の合いの手で唄うもの。

お友達が小唄を唄い、他の常連客がうた沢を唄う。

粋だぁ。カッコ良い。

この歳になってようやく、ホンモノの京都を少し垣間見れたような気がする。

さて、お友達5人で、都をどりの鑑賞からお茶屋さん、何人もの芸妓さん舞妓さんのお花代、バー、そしてもう1件のバーまで、結構な遊びをしながら、その日、誰ひとりとして財布を開くことがなかったのだ。

花街で財布を開くのは野暮ということらしい。

実際は、すべてお茶屋さんが立替えて払いをして、ご贔屓さん一人に後日請求書が届く。信用の世界。

だから、当然、花街では一見さんお断りとなり(観光やスポット向けの店もあるらしいが)、紹介を頂いても、お行儀の悪い事をすれば、すべて紹介元が保証をするという事になっているらしい。

今時、ネットで花街の仕組みを調べることもできるが、情報とお金があれば楽しめる世界でもないようだ。

先輩諸氏から行儀や作法を学びながら信用をつけてゆき受け継がれていくものなのでしょうね。