ダイニングテーブルに「飯」ボタンが一つ置かれていた。

どうやらAmazonのダッシュボタンに「飯」と書かれたシールが貼られているようす。

ちなみに、Amazonダッシュボタンとは、おもに日用消耗品(洗剤、歯磨き粉、シェービングクリームなどなど)をワンタッチでオーダーできるWiFi内蔵の物理ボタンですね。「エリエール」とか「六甲の天然水」なんて書かれていて、このボタンを一回押すだけで、自宅に配達してくれる今流行りのIoT(Internet Of Things)的な新しいサービスです。

で、「飯」と書かれたダッシュボタン。

妻に聞いてみると、ばん御飯の時に1階の息子に「ご飯だよー!」と大声で呼んでも聞こえない時があるので、「その時はこのボタンを押してくれ」と息子に渡されたらしい。

確かにワンプッシュで息子が上がって来るとのこと。

で、息子にこの仕組みを聞いてみると、このボタンは元々エリエールを発注するAmazonダッシュボタンだけど、以下の手順で機能を変更しているとのこと。

  1. ボタンが押されてWiFiルーターを経由する時、自宅サーバーを経由させる。
  2. MACアドレスによって処理を分岐するプログラムを構築
  3. ボタンのアドレスと合致していれば、Amazonに発注しないようパケット消去する
  4. さらに息子部屋のWiFi制御LED天井ライトを自動点滅させる
  5. ライトの点滅で飯が出来たことを知り2階に上がってくる(笑

実にバカげている。あまりにもバカバカしくてクールですらある。

彼が中学生だった頃までは、長年IT業界にいる私の方がはるかに物知りだったが、今や、サーバーホスティング企業でサーバーエンジニアになっている息子は、もう、完璧に追いつけないほど先に行ってしまっている。

説明を聞いて仕組みは理解できても、もう、自分にはそこまで組み上げる知識もないし発想もない。

高度な知識を使ってバカげた遊びができる彼が羨ましく見えた。