冬休み明け早々、東京宅でゆったり過ごす3連休。
時間もあるので、長文になるが、たまには真面目に書いてみたい。
誰もが、我が子には幸せな人生を歩んでもらいたいと願っている。
ということで、テーマは「親として我が子の未来を創る」。
我が子にとって “幸せな人生” とは何だろうか・・・。
それを考え始めると複雑になるので、願いをシンプルにしてみる。
「将来、経済的に困ることなく豊かな人生を歩ませてあげたい」
極論だが、人生の幸せ度合いは人間力+経済力に比例する。
いや、お金がなくても幸せな人はたくさんいるよ。思いやりはないけど経済的に豊かで幸せに生きてる人もいるよ・・・。
そういう繰り返し議論はやめてシンプルに言い切ってみる。
社会や周りにとって良い人で、経済的にも余裕があり卑屈さがない。
この人の人生は幸せであろう。というのは共有できる話だと思う。
ここで、「人間力」にまで言及すると話が終わらないので、元々の、我が子に対するシンプルな願い「将来、経済的に困ることなく豊かな人生を歩ませてあげたい」に話を絞りたい。
さらに言えば、それぞれの子供の個性や能力にまで話が及ぶと話がまとまらないので、あくまでも、最大公約数的な話で、かつ私の自論を語るならばという事にしたいと思う。
さて、我が子の人生を考えるとき、最も重要なことは・・・
当たり前だが、我が子は永遠に「子供」ではないという理解。
彼、彼女たちの人生のほとんどが、一丁前の大人期間、老齢期間であり、今日の我が子というイメージからかけ離れた1人の人間であり、自分が死んだ後も20年30年と生きていく存在であるという忘れかけた真実を見なければならない。
我が子は、主にどういう時代を生きていくのかを想像し、それに合った能力を高めてあげるよう導いてあげるのが、最大公約数的ではあるが、最も有効な導き方ではないかと思う。
そこで、20年30年50年先の時代をイメージする最も有効な手段が、人口推移を見るという事になる。
年 | 子の年齢 | 人口 | 減少率 |
---|---|---|---|
2015 | 0歳 | 1億2600万人 | 0% |
2040 | 25歳 | 1億700万人 | 15%減 |
2050 | 35歳 | 9700万人 | 23%減 |
2060 | 45歳 | 8600万人 | 32%減 |
例えば2015年に生まれた子の日本は上記のような人口になる。
簡単に言えば、働き盛りの45歳頃には人口が今の2/3になり、GDPは現在の3位から10位圏外となり、主要国から外れてさらにGDP減少が加速する。
では、日本は貧しくなるか?と言えば、私は楽観視している。
なぜなら、日本は”輸出国家” というイメージがありならが、調べてみると意外にもGDPにおける輸出依存度が低く、わずか10%程度しかないからだ。
言い換えれば、日本のGDPは実際は鎖国的で、日本人が日本人相手に国内で売り買いしている数値であり、人口減とほぼ同率で企業数も減るので、需要と供給の比率は今と大きく変わらないのではないかと思う。あくまでも自論なので、詳しいことはわからないけど。
また話は脱線するが、日本には強力なアドバンテージが3つある。
「島国、日本語、人口1億」。島国と日本語は「入口が狭くて出口が広い」=守りも攻めも強いということ。そして、人口1億は、国内循環だけで商売が成り立つ最適規模であることだ。それが、人口減が進む日本の未来にも、あまり悲観的は考えていない理由でもある。また、将来、日本の人口が2/3になるとは言え、これも勝手な想像だが、おそらく日本は特殊な移民政策を徐々に始め、日本国民は8600万人だが国内人口は1億人を維持しようとするのではないだろうかと思う。
話を戻して、人口が2/3になった時、企業は何を重視し始めるか。
それは、これまでの年商規模や従業員規模を求める「量的成長思想」から、労働生産性を重視する「質的成長思想」への移行だと思う。本当は、もうすでに「量的成長」時代はとっくに終わっているが、世の中全体が「質的成長」を重視する時代になっているのだと思う。
結局、質的成長のKPIである「労働生産性」を重視する時代になったとき、働き方は、労働集約型(労働時間と収入の比例)でなく価値創造型(付加価値と収入の乗数比例)の仕事をしていることが重要である。
テーマに沿って言えば、我が子には「価値創造能力」を身につけさせる、または、そういう企業を選択させるのが、彼らの時代における正しい選択。
まわりくどいので、そろそろ単刀直入に言うと、最も効率的な価値創造型の仕事とは、「よい原型を作り、無料かつ無限に複製を生み出して対価を得ること」。
つまり、システム開発やコンテンツも含めたいわゆる「デジタルデータ」を扱う仕事。
もっとハッキリ言えば、第4次産業革命となる「情報産業」が昇りのエスカレータ。・・・といえば、結局、世の中の誰もが知っている「IT分野」が良いってことでしょって、ごく当たり前の話になる。
ここで本題。
うちの子はスマホを使いこなしている、インターネットも使いこなしている、だから、時代についていっている・・・と考えるかもしれないが、それはアドバンテージでも何でもない。
それは単なる利用者であって、経済の基本的観点が抜け落ちている。
つまり「利用者はお金を出す、提供者はお金を受け取る」という基本。
たくさん利用すればたくさんお金を支払い、たくさん提供すればたくさんお金を受け取るという、シンプルな経済構造を理解しておかなければならない。
要は、我が子に、提供する側になれる能力を高めてあげるのが、彼、彼女たちの経済的な未来をより良いものにする方針だと考える。
もう一つ資料として、日本の人口は2/3に減っていくが、世界では1.5倍になっていく予測事実も確認しておきたい。
地域 | 2015 | 2100 | 伸び率 |
---|---|---|---|
全世界合計 | 73 | 112 | 153% |
アメリカ | 3.2 | 5.0 | 156% |
ヨーロッパ | 7.4 | 6.5 | 86% |
中国 | 13.8 | 10.0 | 72% |
インド | 13.1 | 16.6 | 126% |
アジア | 44 | 49 | 111% |
アフリカ | 12 | 44 | 360% |
特筆すべきは、全世界においては人口が急激に増加し続けていること、そして、アフリカの人口伸び率である。おそらくアフリカ大陸の国々でも、経済発展にともない公用語を英語に変えてくる国が増えると思われる。
ベタに言えば、これもありきたりになるがグローバル化だ。
少し話は戻るが、日本のアドバンテージである「入口は狭く出口が広い」を活かすなら、広い出口を使える能力がなければ、個人的なアドバンテージとはならない。
時間がゆったりあったので、長々と好き勝手なことを述べてきたが、本来のテーマ「親として我が子の未来を創る」に基づいてまとめると下記のようになる。
- 情報産業の提供側になる能力を高めさせる
- 英語力、特に英文読み書き能力を高めさせる
さらに言えば、強制的に教育するよりも、それに興味を持つように仕向けて行くことである。
進学塾に通わせるくらいならプログラミング教室に通わせた方がよっぽどいい。英会話に通わせるなら小学生からの短期留学で外国に放り出した方がいい。
子供に〇〇マンの変身グッズを与えるより、プログラミングできるロボットを与えた方がいい。
現在、2020年から小学校にプログラミング教育の必須化が検討されている。ただ、道徳教育も含めてだが、そもそも一般の学校では教える側である教師のレベルが低く、学校の必須科目として習っている程度では、将来の飯のたねになるわけがない。だから、教えるのでなく、子供の探求心を誘い出す環境づくりをするのが親の役目だと考える。
こう書いてしまえば、何ともありきたりな話になる。
しかし、我が子に「経済的に困らない豊かな人生」を歩ませてあげたいのなら、これが王道であることに違いはない。
念のため、再度前置きするなら、子供にはスポーツ、芸術、文学、化学・・・あらゆる可能性があり、その子にあった才能を伸ばしてあげるのが良い方法ではある。
しかし現実は、確率論で人生を語るのは寂しいことだが、「経済的に困らない豊かな人生を歩んでほしい」その願いが叶う確率は、親の考え方次第でずいぶんと違ってくる。
昇りのエスカレーターに乗れば、立ち止まっている人ですら徐々に上昇できる。ただそれだけの事かもしれない。
これだけ書いてもまだ半分も書けていない気がするが、今日はこのあたりでドロンさせて頂きます。