ある日、妻から不意に質問された。“プライド” と “見栄” の違いって何なん?
確かに似ているようで全然違う、という気がするが、しばし考えて出した答え。
“プライド” は、持っているもの。
“見栄”は、持っているように思わせたいもの。
そういう事ちゃうかと。
例えば、プライドは “傷つく” という表現をするけど、見栄は傷つかない。
なぜなら、傷つく本体を持ってないから。
見栄を “張る” という表現をするけど、プライドは張らない。
なぜなら、大きいように見せるものではないから。
これを書きながらふと思い出した。
昔々こんなことがあった。
18歳のころ、女の子とデートすることがあって、デート代なんかギリギリしかないのに、あちこち行って最後にバーに入った時の事。
入口で飲み物の値段をチラ見して、千円×2人分で、手持ちの2千円でギリギリ足りると思って入ったんだよね。
俺は普段からバーとかも行く人間なんだぜ、みたいな(笑
金もないのに “見栄” 張った感じ。
それで予定通りそれぞれ一杯ずつ飲み物を頼んだんだけど・・・
店員が「あの何かフードを一品ご注文ください」と。
俺 「あぁ、要りません」
店員「いや、何かご注文頂くことになってるんです」
俺 「何で頼まなアカンの、食べたくないネンから」
店員「でも・・・」
その頃、私の心の中では、げぇー、バーなんて初めて入ったのにぃ、そんなシステム知らんがなぁ。
こりゃマズイ。絶対お金足りないから、女に金を出させることになってしまう。
今では割り勘も普通のようだが、私の世代では、女に金を出させる事は恥。
そこで取った作戦が。必殺、「キレる」
俺「お前んとこの店なんやネン! おい、行こうぜ!」
と、女の子の手を取って店を飛び出た。(緊急脱出とも言う)
その後の事は、本当に記憶がありません。
見栄を張って、プライド傷つく。の巻きですな。
しかし、いまだ、これを書きながらも、あの時の恥ずかしさがこみ上げてきます。
青春って・・・ほろ苦いなぁ。