先日のバルーンショーを観て「プロ」とは何か考えさせられた
ショーの開始早々は場も暖まっていないから、演者の女の子がハイテンションで「はーい!こんにちわぁー!」と言っても、返答がなかったり微笑むだけだったりとリアクションがほとんどない。
それでも演者はまったくテンション変わらず、逆手にとって「みんなーぁ、心の中のお返事、ありがとぉ(^_-)-☆」とくる。徐々に場は暖まり、「この風船欲しいお友だちは手をあげてぇ~」というあたりから、子供のリアクションがよくなってきて場が回り始めた。
風船であろうがマジックや大道芸であろうが、こういうパフォーマンスイベントではよくみる光景だ。
有名タレントでもない限り、いきなり盛り上がることはない。
それでも、ほとんどのパフォーマンスイベントでは、最終的に盛り上がりを見せたり、笑顔や大きな拍手が生まれ、観客はそれなりに良いもの観たという気分にさせられる。
なぜだろうか。
それは、彼ら彼女らパフォーマーたちが “ 最終的に自分の芸がウケる ” ことを知っているからだろう。
自分のパフォーマンスは、必ず人を楽しませる、ハッとさせる、驚かせる、関心させられる。過去の経験からもその自信があるし、そうなるよう練習も積んでいる。
一度マスターしたからといって、そこそこレベルで金をもらうのでなく、前回よりもっとウケるテクニック、技、見せ場を考え、さらに磨きをかけている。
だから冷めた視線やノーリアクションでも心が折れない
いちいち、凹んでいたらウケるものもウケなくなるだろう。
そんなのは織り込み済みと思いながら、自分のテンション下げず技を披露していくから、観客は徐々に心を開いてゆき、場が暖まり熱くなってゆくものだと思う。
かたや、ビジネスの現場ではどうだろうか
客に対してのプレゼンや訪問デモ説明をするときだ。
デモ説明を始めて早々、相手のリアクションが悪かったら「これは売れないなぁ」と最初から決めつけたり、焦ってしまって、いつものような良いデモができなかったりすることがある。
まさしくウケるものもウケなくなる。自らの自爆によって
自分がこれから行うプレゼン、デモは、相手にとって必ず役立つ話であり、何らかの気づきを与えらるものなのに、相手のリアクションによって一喜一憂してしまい、さらに悪い方向へと自ら導いてしまう。
もし、今から見せる芸が、東急ハンズで買った安物の手品グッズで、ステッキが一瞬でハンカチに変わるようなありきたりのものなら、ウケないのも仕方ない。
しかし、他では見たことのないような鉄板ネタがあるのに上手く披露できないのは、リアクションにつられた自爆か、練習不足、準備不足に他ならないではないだろうか。
説明している間ずっと能面のような無表情で聞いていたのに、最後に「で、申し込みはどうすれば?」などと、即決注文になった経験が数え切れないほどある。
反対の立場になればわかるが、自分が少々高額なものを買いに行くとき「今すぐ買いたい!」と顔に書いて行くだろうか?
その価格でも欲しいが、さらに値引きさせるにはリアクションを出来るだけ抑えたほうが交渉有利になると、誰もが知っているはず。
わざと、なのだ。
街角のパフォーマーは知っている。
リアクションが悪いのはちょっと恥ずかしがってるだけ。
心の中では楽しんでるはず。だから、相手の心の中の反応に対してパフォーマンスをしようと。
たまにしかお金をもらわないパフォーマー。
毎日、お金をもらっているビジネスマン。
何が違うのか。それはお金と仕事をリンクする意識。今から行うパフォーマンスをお金にリンクさせる “意識の差” だろう。
もしビジネスマンが、パフォーマー並みのプロ意識を持ったら・・・、羊の群れから容易に抜け出す事ができる。