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後発メーカーの土俵返し


サーフィン、スキー、BMX、バンジーなどなど、あらゆるアクティビティで迫力ある自撮り動画を見かけるが、その多くがGoProという小型カメラで撮影されており、今やソニーを抜いてビデオカメラとして年間販売台数世界一になっているらしい。

WEDGEに掲載されているGoProの記事が面白かった。

創業者のニック・ウッドマンは、自分がサーフィンをしている動画を撮りたくて、市販カメラをいい具合に取り付ける専用バンドを作り、販売もしていた。

その後、2007年にアクティビティ向けに機能を絞り込んだデジタルビデオカメラを台湾で委託製造し販売開始。しかし、いきなり爆発的に売れたわけではない。

新しいカテゴリーが生まれるとき、だいたい同じ道をたどる。

見た瞬間それを待ってたんだ!と叫ぶ積極的アーリーアダプターが一定数存在する。
アーリーアダプターは新しいものを取り入れ、また色々な人に見せてくれる。
GoProの場合、Youtubeにアップされた動画だろう。
それを見て、自分のニーズを思い出す大多数の潜在層が徐々に使いはじめる。
ここで一気に火が付けば爆発。 GoProのサイトを見れば自分もやりたくなってくる。
余計な機能が付いていないことが、新しいコンセプトを際立たせる。

後発ベンチャーが市場をひっくり返す唯一の方法かもしれない。

GoProは広角レンズ一つでズームもなく、液晶も無ければ手ブレ補正もない。

手ブレ補正は必要そうだが激し過ぎて使えない。だったら最初から付けない判断。
手間なくコストも変わりなく機能を付加できるとしても、我慢して付けない。
大企業、特に日本のそれは、競合他社に負けないため、見劣りしないため、新機能で少しでも優位性を持たせるために、付加価値と思い込んでいるもの(実際はユーザーに負荷がかかる不可解なものを付加してるだけ)が、会議室で生まれ、無駄なものを搭載することに多くの時間を費やしている。
同じような事をやって競合ひしめく市場が、競って多機能化に走り始めた時、3番以内に入ってないなら「あえて、できない」をウリにしなければ勝てる可能性がない。
ボタンを最大限に付けたBlackBerryがボタンの無い電話に土俵をひっくり返された。
違う土俵に移るのでなく土俵をグリンとひっくり返してしまうのが痛快な勝ち方。
今、すでにある製品から余計なものを省いてゆく「引き算」でもない。
あくまでも、ゼロベース。
自分をカッコ良く撮りたいだけの1人のサーファーにならないと再創造できない。

そんな時、イノベーションを生みだす魔法の言葉が役立つ。 ・・・「そもそも」

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