今日は以前の会社のコンペ。OBゾーンがタイトで、かなりのボールを無くしてしもた。
それでも無くした玉数から考えるとスコアは自分なりに上出来。今年は進化できそうだ。
ところで、このゴルフ場に来たのはずいぶん久しぶりだったが、以前は昼のバイキングがずば抜けて美味しいなど良い面があったのに今日はガッカリさせられた。
あらゆる面で、客がハッキリとわかるほどサービスレベルが格段に下がっていたのだ。それらはすべて、徹底したコストダウンをするという企業ポリシーにもとづいた施策。
以前とあまりにも違っていたので、なぜなのか気になって調べてみた。
数年前に民事再生法の適用を受け負債140億で経営再建中という状況のようだ。再建計画を立てるとき、真っ先に手をつけるのが徹底したコストダウン、いや、再建と言えばそれのみに終始してしまうのが普通だろう。
さらに、いわゆる2015年問題。
団塊の世代が65歳に達しゴルフ人口が激減し始めることへの対策準備(結局はコストダウン?)が必要な時期ということ。2000年に対し2030年は25%減。少子化と遊びの多様性で次世代増加も見込めない。
余談だが、以前から少し気になっていたことがある。たとえば若い人が「最近ゴルフにはまってるんですよ」と言ったとする。珍しいなと思ってよくよく聞くと、コースに出た事は一度もなく、練習場やゴルフバーでやることをゴルフと言っているようなのだ。
過去の負債と未来の失望のなか事業計画を立てるのは非常に厳しいと理解できる。はたして、自分がここの経営者ならどうするのだろうか?
このゴルフ場がやっていたことは、コストダウンと売上向上。常套手段だ。
客が肌で感じるほどのサービス低下をともなう聖域無きコストダウン。そして、館内放送でひっきりなしにお土産の宣伝をして客単価の向上を図っていた。
しかし、言葉を置き換えるなら、来た客にできる限りケチケチで接しながら、買ってくれ買ってくれと必死に売り込んでいるのが今日の状況だ。極論すれば、やってきた客から出来るだけ吸い取りカモ扱いしているようなものだ。
ようは、「来た客をリピーターに転換させる」という発想がまるで抜けている。
来た客をカモと見るのか、リピーターにさせるチャンスをもらったと見るのか。経営者はもちろん、全従業員にあらゆる手立てでその発想を浸透させなければと思う。
前提として、客が何かを選択するとき二つの視点を持っているのではないだろうか。
ひとつは「できるだけ価値を出したくない」 = 料金が安い、手間がかからない等。もうひとつは、「できるだけ価値を受け取りたい」 = 払った価値以上のものを得る。
プレー費を他のゴルフ場よりも安くして採算が合うならそれもありだろう。しかし、ほとんどのゴルフ場がそこで戦っている。いやそれしかやってない。だから「できるだけ価値を受け取りたい」にリソースを集中させるべきではないか。
当然、不要なコストは徹底的に削減すべき。反面、リピーターにさせるためのコストは費用対効果を見ながら増加させるべき。
リピーターにさせるには具体的にどうするか。
まずは、コスト0円のことをすべてやらなければならない。
ここは、事業再生中でありながら従業員の行動がまったく変わっていなかった。笑顔が意識されているわけでもなければ、声かけも意識されていない。それは経営者の責任。笑顔で「また来てくださいね!」と気さくに言えば、人は期待に応えたい動物なのだ。
例えば、ハーフごとにガン冷えのミネラルウォーターを無料サービスでカートに置く。
2本でも原価100円程度でしょ。帰ってきたら、ガラスのコップに入った冷たい水とおしぼりを手渡しながら「お疲れ様です、ハーフはいかがでしたか?」とか、普通の人間同士の会話として気さくに話しかけてくれたら気持ちいいんじゃないかな。
コンペには無料で記念撮影し人数分プリントとCDをコンペールームに置いとくとか。コンペの幹事さんが皆から褒められるような仕掛けを作り毎回使いたくさせるとか。原価はたいしてかからず、他ではやってないサービスを探しまくらないと。
高級ホテルやレストランにはローコストで価値高いサービスアイデアが色々ある。経営者は、そういう場所で体験してきたことを自社に応用するのも仕事の一つ。
話がとまらなくなるので、ぼちぼちこのあたりで。