日記

ES-335

ラリー・カールトン「Room 335」。この曲を初めて聴いたのは30年以上前の中学生時代。一耳惚れで何度も聴いた。

ごく最近はどうか知らないが、この曲を知らないギター少年なんていないだろう。それくらいギター少年界(どんな界や)では有名で憧れられている曲だ。

使われているギターはギブソンのセミアコースティック ES-335。このたった一曲で、ES-335は世界中で爆発的に売れた。いや今も売れ続けてる。

感情が湧きあがり指先が叫んでいるようなフレーズ。二度とないほどの演奏。事実、彼自身がインタビューで、あれは奇跡的な演奏だったと語っている。

そして何よりも驚きなのが、この演奏にエフェクターは一つも使ってないって事だ。信じられる?ES-335とブギーアンプの直結だと。それでこの伸びやかな音なのだ。

この話を当時の雑誌「Player」で読んだ時、うっそ―んと思った事を覚えてる。

この音を出そうと思えば、まずOver Driveなどの歪み系に、リミッターかコンプレッサーは最低限必要だろう。パッと聴けばコーラスかディレイが入っているように聴こえるが、これはよく聴くとダブリング、つまり2回同じフレーズを弾いて重ねている。

それで、ラリーの伸びやかな音はアメリカ西海岸の空気が乾燥しているからだと伝えられ、その頃から日本のミュージシャンもLAのスタジオで録音するというのが結構ブームになった。イーグルス等々のウェストコースト音楽が大流行だったしね。

まぁ湿度の影響も多少あると思うけど、やはり、ラリーのギター奏法の特徴なのだ。

二つあって、一つはチョーキングした時のピッチの正確性。もう一つは、微かに聴こえるフレーズ間の長いスライド音だ。これが効いてる。と勝手に分析するのだが、私も含め多くの人はES-335って凄い!になってしまう。

ES-335を買ったからってこの音がでるわけではない事くらい重々知っておる。でも、いつかは欲しいんだなぁ。ギブソン ES-335。

ビンテージだと70万くらいするけど、新品なら今は20万円代前半で買える。だから、無茶な買い物でもなく、事実、今まで何度も何度も買おうとした。

だけど買ってないんだなぁ。

だって、もう、大人になって長いからね。知ってるんだわ。手に入れたらスグに熱が冷めて、心躍る憧れのモノがまた一つ消えてしまう事を。

個人差はあれど、多くの場合、歳を重ねると物欲はどんどん無くなってゆく。モノを手に入れる事より「モノを手に入れたいと思う自分」を手に入れたいと思う。

335は小さな一つだけど、ありがたい事に他にも手に入れたいモノやコトがある。
そういう、手に入れたいモノやコトが、今の自分を突き動かしてくれているのだ。

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