ちょいマジおやじ

ライバル

通勤に1時間もかかるのに、やけに出勤時間の早い奴。彼の名前はセロ。

ずっと「セロ」と呼んでいるが、外人でもハーフでもない。
もう5年前になるが、彼がまだ大学生の頃、英語を使ったなんとかセミナーの場で出会い、そこでのEnglishネームがセロだったから。ちなみに私はリッチーだよ。

とにかく思考も行動力もずば抜けていて、面白い若者だなとその後、何度か会食。やがて、彼の成功過程を見てみたいと思い、立派な大企業に勤める彼をひこ抜いた。

ありがちな暑い若者と違い、しっかり地に足の着いた人生観と感性を持っている。まさに彼の成功が約束されていると確信しているポイントがそこだ。

一時的な成功なら沢山あるが、ずっと成功状態で居続けることがより重要だと感じる。

ロバキヨも「金持ち父さん、貧乏父さん」の中で言っている。
「人生で大事なのはどれだけお金を稼いでいるかではなく、どれだけ金持ちで居つづけるかだ」と。多くの成功と失敗を見てきたなかで、この言葉の重要性を肌で感じる。

その為には、若いうちに基礎をしっかりと踏み固めるような仕事感が必須だと。
セロにはその感性が元から備わっている。

で、最初の出勤が早い話だが、ある日、7時30分に出社したら既に彼が居た。あえて何時に来たかは聞かない。数日後、7時10分に出社した。また彼がいた・・・。
意地でも何時かは聞かない。

私はどうしても一度勝ちたかったので、思い切って6時30分に出社した。
・・・彼が居た。  もう競いません。

今日聞いたら、勝とうと思って若干張り合っていたらしい。

私は「ふーん」とは言ったが、そこに彼の感性を見た。「ある日」の為に何日も捨て努力をできる感性。もちろん努力に「捨て」はないが。

私がさらに早く出社するのは今日かもしれない明日かも、いや無いかもしれない。だから、その日が来るまで一日も欠かさず無茶な早朝出社をし続けている。

自分の話をすると自分自身を持ち上げてしまうが、私も昔、近い経験がある。

20代の頃毎朝欠かさず日経産業新聞を読んでから出勤していた。TV欄もない産業新聞。なぜなら、その社長が午前中事務所で日経産業新聞を読む習慣があったから。いつか、社長が日経産業新聞の記事を指さしながら私に話しかけるその日のために。

そして数年経ってその日がやってきた。

社長が「この記事見てみろよ」と私に話しかけ、それをさっと見て「私も読みましたが、○○が○○した件ですよね」と。社長が「お前、日経産業新聞なんか取って読んでるのか?」と。

その後、社長が人前で私を褒める時「こいつは産業新聞を読んどる」話が何度も出た。もちろん “産業新聞を読んでる事” を褒めているのではない。仕事に対する準備を影で行なっているお前は信頼できる。と認めてくれていたのだ。

話が長くなったので端折るが、若いころは他にもこういう「先人の信頼を勝ち取る」地味な努力をいくつかやってきた。

だから「張り合ってました」で終わる話も、私にとっては終わらない話になってしまう。また、彼のポテンシャルの一つがポロッと表に出てきたなと。

何の話をするつもりだったのか・・・書いているうちに話が拡がってしまった。

今日の彼は出社時間のライバルだった。
しかし、いずれきっと。お互いを切磋琢磨しあえる良きライバルになる。

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