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証明しなければならない

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昨年末に読んだ 『ザッポス伝説』 トニー・シェイ(著) をふと思い出した。
トニー・シェイは若くして立ちあげたIT企業を売却し数十億円を手に入れる。
その後不動産購入などで散財した後、靴をネットで販売するZapposで再起業。
ところが全く上手く立ちあがらず、とうとう手持ち資金をすべて使い果たしてしまう。
しかし彼はあきらめずにやり続け、遂にZapposは軌道に乗る。
その後、Amazon傘下に入り彼は前回以上の富を手にした。
アメリカンドリームなこの本の一行を今でも手帳に書いて持っている。
「まぐれでないと証明しなければならない」

彼は、前の成功がまぐれでないと証明したい思いに突き動かされた。
これは多くの経営者、ビジネスマンが感じる思いではないだろうか。
仕事が上手く行っている時、人は自分の実力に自信を持っている。
周りに助けられ幸運にも恵まれたことに感謝しつつも、自分に自信を持っている。
しかし、今の基盤をすべて捨て、白紙からやっても自分はできるのだろうか。
本当に自分の実力はあるのだろうか。 自分を試したくなってしまう。

デキる営業マンが、自ら望んで未開の地に拠点進出をさせてくれと言うのも同じ。
大手企業で実力のあった人が、独立して大カンバンのない自分を試すのも同じ。
私もサラリーマンの頃、新拠点開拓を2回やって自分には実力があると信じれた。
以前経営していた会社でも、海外ソフトの輸入販売を一人で立ち上げ自己テストした。
もしかしたら 「根拠はないが自信はある」という大切なものを失うかもしれない賭け。
島田紳助も同じようなことを語っていた。

彼は、ビジネスマン的思考で芸能人として成功し、自分はデキる人間だと自信を持ちながらも、本当に自分には実力があるのか試したくて飲食店を始める。
寿司店、お好み焼き店、バーとすべてが計算通りに当たり自信を深める。
それでもまだ確信が持てなくて、今度は人のプロデュースを始める。
「羞恥心」や、おバカタレントブームを起こし、自分はデキる人だと確信を深めた。
一段一段、階段を昇るような滑らかな成長などない。
もし一段一段昇っている実感があるとすれば、それはまだまだ高さが低すぎるから。
飛躍的に成長するのは、まさくしこの 「証明しなければならない」と思った時。

多くの経営者、デキるビジネスマンはこう思っているのではないだろうか。
この業績は、まぐれではないと証明しなければならない。
掲げた目標は本当にやる男だと証明しなければならない。
まったく白紙からでも同じことができると証明しなければならない。
自分には実力があるのだと証明しなければならない。
誰に証明するのか?  もちろん自分にである。

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