あの頃のオレ様。
一番古い記憶は4歳、夏の日の出来事。
それ以前の記憶はまるで無いのに、あの日は、黒っぽい半ズボンに麦わら帽子をかぶっていた事まで覚えている。
私は、母の実家 福井県敦賀市にある おばあちゃんの家の前で、ホースで水まきして遊んでいた。そこに母の姉が小走りで来て声をかける。 「ヒロちゃん、ヒロちゃん!」
「ヒロちゃんに弟ができたよ!」って。
私はその時、嬉しいという感情を持ちながらも、顔に出ないよう務めた事を覚えている。
なんだか恥ずかしかったのだろう。
病院に行って赤ちゃん、いや弟の顔を覗き込む時おばちゃんか母の手をつないでいた。
いたずらでスーパーの桃をつつくように、しかしそっと優しく、人差指で弟の手に触れた。
そこから照れくささが無くなって、嬉しさだけに変ったような気がする。
それが一番古い記憶です。
Memories 1番古い記憶
