今夜は、映画の紹介。
少なくとも5回以上は観ている大好きな作品ばかりです。
『黒い瞳』
主演: マルチェロ・マストロヤンニ
音楽: フランシス・レイ
原作: チェーホフ
制作: 1987年
カンヌ国際映画祭 男優賞
実らぬ恋に悩むイタリア中年男の悲哀と
愚かさを描いた作品。
映画の紹介をしたくなったのは、今日久しぶりに『黒い瞳』を観て、あらためて、やっぱり映画って良いなあと思ったから。
この作品は20代の頃に友人に教えてもらって観たのが最初。
最初から最後まで、これほど見事な脚本と演出の作品が他に思い浮かばない。
そこに主な3人の役者が素晴らしい演技を魅せてくれる。
脚本はチェーホフの小品を4つ組み合わせて書かれたもので、完全原作の本を読めないのがさびしい。
音楽は、さすがフランシス・レイ。 「悲しい」でなく、「切ない」を表現するならこの人だな。

主演: ヒース・レジャー
ジェイク・ギレンホール
制作: 2005年
アカデミー賞監督賞ほか3部門を受賞
60年代のアメリカ西部を舞台に、
二人のカウボーイの20年以上にわたる
禁断の愛を描く。
ストーリーを口にすると非常にシンプルなものになるが、なぜ、これほどまでに感情を美しく描き出すことができるのだろう。
無言の感情を原作ではどのように表現しているのかが気になって読んでみた。
原作は映画と少し違うけど確かに良かった。それでも映画の方が断然良い。
ならば、映画のシナリオなら映像で再現できるようト書きもあるだろうと思って探したが翻訳されているものがない。
それでも気になるのでAmazonで英語版シナリオを取り寄せ読んでみた。
全て読み切るところまで気力が持たなかったけど、気になるシーンは非常に納得できた。何度も観ていると、実際のセリフと字幕の意訳が気になってくる。
それでも、繊細な感情を描き出すのは監督や俳優の美的感覚に依存するものだなと思う。

主演: ジャック・ニコルソン
ダイアン・キートン
制作: 2003年
娘の彼は63歳の独身富豪。
妙なきっかけから母親と互いに惹かれあう
ロマンチック・コメディ。
この映画の雰囲気が、私の憧れるアメリカそのもの。
J・ニコルソンもD・キートンも、素敵な時代のアメリカを象徴しているように思える。
いうなれば、マーサ・スチュワート的な平和で豊かで暖かいアメリカ。
ラストシーンでニコルソンとキートンが着ているスーツがそれを象徴している。
妻は、映画のシーンで出てくる海沿いの別荘が気に入っていて、よく「いつかこんな家を建てて」と言う。私もそうしたい。
そして、ラストシーンで流れる曲が、ポール・サイモンの「Lean How To Fall」。
レストランでの美しく幸せなシーンを、この曲がさらに引き立てている。
ちなみに、セーリングでCDをかける時、一曲目は必ずこの曲だ。
あの幸せなシーンと、セーリングでの爽やかな気分がともて似ているから。
もっとたくさん、素敵な映画と出合いたいなぁ。