今日はNHK教育テレビのETV特集を観て、とても感動しました。
「悩む力 ~姜尚中が読む夏目漱石」という番組です。
観られた方、いらっしゃいますでしょうか。
少し前に姜尚中(カン・サンジュン)氏の近著『悩む力』も読んでいたので、その思想もスムーズに心に入ってきましたが、やはりTV番組としての映像や編集の力は凄いものです。
特に、この手の番組はNHKの独壇場ともいえますね。
そして、その映像や音や編集力を使って何を伝えるのかというと、まったく反対に「文学」の世界です。
この人生をより味わい深く生きるにはどうすれば良いか。
何度も繰り返している自問に今日の番組はヒントを与えてくれました。それが何であるのかは一言で伝えにくいのですが、簡単に申し上げて「意味の奥行き」です。
どれだけ歳を重ねても「新しい知識」を得ることはたくさんあります。
しかし「新しい意味」を得ることはそれほど多くない。
それは哲学の分野でしょうが、結局のところ、哲学とはあらゆる言葉の意味をスッキリするまで解き明かしたい! という人間の欲求行動ではないでしょうか。
さらに言えば、「幸せとは、○○○である」なんて、いきなり究極につきつめた哲学者の解を聞くのでなく、おそらく順番に「新しい意味」を発見しながら、一生をかけて解に向かっていくものなのでしょう。
しかも、完全な解に到達することはなかろうと薄々知りながら。
で、何に感動したかをいくら説明しても、今の私は、同じ絵を見せるほど伝える力を持ち合わせていないので、機会があれば『悩む力』姜尚中(著)もご一読されることおすすめします。