Think about The keystone of a complicated thing.
久しぶりにセミナーに参加した。
連続ではないがまる4日間の濃厚な内容。
昔はマーケティング系やモチベーション系セミナーを多く選んでいたが、今は時間があるので『7つの習慣』でいうところの第2領域(重要だが緊急でない)、経営において税務、会計、法務、企業評価あたりの内容を学んでいる。
もちろん実務面では、会計は会計士、法務は弁護士などのスペシャリストに任せればいいわけで、経営者はすべての知識を記憶保持する必要はない。
経営者にとって重要なことは、各分野のキモを知ることだ。
思い返すと、過去、様々なことを本やセミナーで学んできた。
マーケティング、コミュニケーション、ビジネス構築などの即効的な分野はもちろん、採用面接の手法から器を広げる体験演習まで。
それぞれは奥深く、マーケティングひとつとっても多岐にわたる。
(興味のある方むけに下段参考記載します)
なかには天才肌の経営者もいらっしゃるが、私のような普通の人間が経営者としてやろうとするなら、現代これらの知識を持たずに”一人前の経営”をすることは難しく思える。
ちなみに “一人前の経営” とは、社員も生活・精神面で恵まれ、社会(顧客と国)に価値を生み出し、経営者も生活・精神面で恵まれる、”三方よしの状態を継続させること” と考えている。
ただ、それらの分野について深い知識だけを持っていても意味はない。
使えなければ知識がないのと同じだ。
非常に広範囲の知識をどのようにして使うのか。
それが、各分野のキモを知ることだと思う。
キモとは一体何か
それは、人体になぞって”かんじんかなめ”と言われる通り、キーストーン(要石)のことだ。
その石がひとつ無いだけで全てが総崩れするほどの重要な一点のことである。
では、B/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)においてのキモは何か。
ただ財務諸表の意味が解ったり読めたりするだけでは何の効果も生まない。
キモは資産の欄でも、負債の欄でもない。
財務諸表のキモは、”誰のためにあるのか”である
もちろん経営者にとってもB/S、P/Lは経営計器として重要だが、中小規模では月次C/S(キャッシュフロー)の方がよほど重要。
明確に言えば、財務諸表を必要としているのは税務署と銀行だ。
社会に出て「学生時代の成績表を見せてくれ」とは一度も言われたことはないが、「会社の成績表を見せてくれ」とは数え切れないほど言われるし、実際に提出しなければならない。
財務諸表のキモは、”誰のためにあるのか”であり、その”誰”が税務署と銀行であるなら、彼らにとって良いものが、良い財務諸表である。
(細かい話や考え方は抜きで書いてます)
経営者が財務諸表を勉強する理由は、彼らにとって良い財務諸表を創るためである。当たり前だが、財務諸表を創るとは当然、粉飾決算のことではないヨ。
銀行はいったい財務諸表の何を評価対象にしているのか、税務署が一番注目するのは何か。
それらを知った上で、財務諸表に与える影響を考えながら借入や投資、資金配分を計画的に行うことで、年間の財務諸表を創りあげていくのである。
そのキモを理解するかしないかで、高利貸しに頭を下げるか、各銀行が頭を下げて好条件を競い合うかの違いになる。
キモを理解せずにいくら勉強しても税理士会計士にほんの少し近づくだけだ。
孫子の「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」は企業経営のみならず人生においても有用で重要な一行であると確信する。
話はそれたが、各分野においても”キモ”はみな同じだと思っている。
マーケティングもコミュニケーションも、財務、法務、企業評価・・・etc。
それらはすべて、”誰のためにあるのか”がキモだ。
わかりやすく言いかえれば、”相手側の視点で創る”が最も重要なポイント。
相手側の視点を理解するため。相手側の視点から良質に見せるため、に各分野を勉強するのである。
そういう意味で経営者の勉強のキモは、”キモを見つけ出す”ことだ。
本質を見抜く
“キモを知る”は、”本質を見抜く”と言いかえることもできる。
“本質を見抜く”とは、複雑なことをシンプルな一行に置き換える作業だ。
本質を理解して生きる人・企業は、ブレのない一貫した強さがある。
それは単なる頑固さではなく、全身を貫く一本の芯があるのでかえって柔軟性を持ち合わせるのである。
仕事の本質は何だろうか。
人生の本質は何だろうか。
幸せの、お金の、健康の、人間関係の…本質を一行で表現するのなら何だろう。
落語家の桂枝雀は、笑いの本質を「緊張と緩和」としている。
何か面白いネタを考えよう…ではなく、緊張させ緩和させる流れを彼は考える。
本質を理解していることで、的を射た行動と良質な結果を生み出すことがわかる。
自分探しの旅にでても永久に自分は見つからない。
しかし、人生の本質を探求し始めると少しずつ自分らしさが確立されてゆく。
それがアイデンティティ。
私はある時重要なことに気づいて、何かが大きく変わった。
“自分”は探すものではなく創るものだ。
なんか最近、時間があるせいか文章が長くなってしまいます。失敬。
参考記載 特に役立つマーケティング分野の勉強
●SEM(Search Engine Marketing)
SEOやキーワード広告によるWEBの上位表示手法
●ブランディング
ブランド化。顧客が無意識に自社を選ぶ理由創り
●コピーライティング
AIDAM法則等による文書のみでの信頼関係創り
●USP(Unique Selling Proposition)
差別化。顧客が自社を選ぶしかなくなる理由創り
●その他
リスクリバーサルやDM・WEBレイアウトを使った顧客アクションの誘導