世界で1200万部発行の爆発的ベストセラー『サピエンス全史』。
分野的にも話題的にも大変興味はあるが、なんせあの文字だらけの分厚い上下巻。手を出すにはなかなか勇気が必要。
そんなとき書店で良いものをみつけた。漫画版だ。あまり漫画版の本は好きではないが、概要を掴むつもりで読んでみることにした。
さすがに面白い。特に、よく見かける人類の進化図の話。猿からだんだん大きくなって、原人からネアンデルタール人、現代人になっていくあの図。あれが、進化図だと誤解されていること。
書くと長くなるので省略するが他にもいろいろ面白い話がある。
で、どうか。
漫画版しか読んでないから何とも言えないが、個人的には、総論の全史よりも各論の分野本の方が面白く感じる。
特に、福岡伸一の『動的平行 生命はなぜそこに宿るのか』とか『生物と無生物のあいだ』はめちゃくちゃ面白い。
あと、NHKスペシャル驚異の小宇宙シリーズのDVDボックス3部作『人体』『脳と心』『遺伝子』(各6枚組)。
大きなテーマではあるが、1分野を徹底的に深堀りしているものが好きだ。
『人体』のオープニングに朗読される谷川俊太郎の詩が美しい。
「からだ」
谷川俊太郎
からだ
闇に浮かぶ未知の惑星
とおく けだものにつらなるもの
さらにとおく 海と稲妻に
星くずにつらなるもの
私たちの先祖は、猿や魚以前に星くずと稲妻でした。
生命誕生の物語を美しく表現する詩。ですね。