ふと思い立って、黒澤明 監督作品『乱』(1985)を観た。
美しさ、迫力、テンポ。引き込まれていく物語の面白さが凄い。
で、『乱』を観ながら、シェイクスピアっぽいなぁと思って調べてみたら、やはりシェイクスピアの『リア王』が元になっていた。
正確には、毛利元就の「三矢の教え」と「リア王」に着想を得て、黒澤明らがオリジナル脚本を執筆したそうな。
であれば、元の『リア王』も観たいと思ってNetflixとかAmazon Primeとかを探したが、オンデマンドビデオがなくDVDしかない。
ならば、今すぐ読めるKindle版 書籍の『リア王』だと、大晦日の半日を使ったが、一気に読んでしまうほど面白かった。
今から400年以上も前に、このような人間模様の戯曲(演劇の台本)が書かれていたことに、あらためて驚きを感じる。
でも、『リア王』を読むと、さらに『乱』の凄さがわかる。
確かに骨子はリア王にあるが、王と三人の娘に置き換え、戦国武将と三人の息子の話とした脚本がめちゃくちゃ面白く、さらに映像の迫力が相まって、よりスケールの大きな物語となっている。
余談だが、『乱』は日仏合同作となっており、その間で奮闘した弁護士の話がとても面白い。
タフな契約交渉の話だが、海外の契約書は後日喧嘩するために小さな仕掛けを組み込んできたり、そのあたりの交渉が事細かにメモとして記されておりとても興味深い。
昔、アメリカからパッケージソフトを輸入して販売していた頃、最初に、10ページほどの英文 契約書が送られてきたのだが、当時、まだGoogleの全文翻訳もない時代だったから、単語を調べながら苦労して慎重にチェックした覚えがある。
43ページもあるので、興味があれば読んでみるのも良いかも。
PDFファイル 映画「乱」制作秘話 弁護士 Jun Norisugi